アレルギー性鼻炎

 

 花粉症や、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎に、鍼治療が有効である事は、歯周病同様にまだまだ知られておられないようですね。

別の病気や症状、例えば肩こりがあったり、膝などの痛みがあり、来院されてからその効果について知り、治療をされる方の方が7割を超えています。

 

花粉症

 

花粉症の治療の開始時期は、どの様な植物の花粉であるかによって、治療の時期は異なりますが、通常その花粉の季節の1ヶ月から半月前に治療は開始いたします。

 

スギ花粉症の場合には、少なくとも1月中に治療を開始する事になります。

治療回数は、1週間に1回で、その年の花粉の飛散する状況により、治療期間には若干の相違はありますが、花粉の飛散がほぼ終了する4月まで治療は継続する事になります。

 

病院で仕事に差し障りがあると困るからと、弱い薬を処方してたら、殆ど効果がなく、致し方なく強い薬に変えてもらったところ、「やっぱり頭がボオーッとして、仕事に影響が出てしまい困っています」と、花粉症の時期には毎年のように大変な思いをされておられる患者さんも少なくないようですが、これまで最悪な症状の患者さんでも、弱い薬と併用して治療を行えば、苦しい期間も3月の花粉の酷い時期の10日間程度に抑える事が可能です。

鍼のみで薬の全く使用する必要のない患者さんや、スプレータイプの売薬と併用するだけで、花粉症の症状を全く出す事なく、その期間を過ごす事の出来る患者さんが殆どです。

 

ハウスダストによる鼻炎

 

これは、2~3ヶ月は1週間に1度の治療が必要で、その後は2週間に1度の治療を行います。

完治するものもございますので、治療間隔を空けていき、状態をみて一端治療を休止して様子を見て、その後再発するかどうか、経過を見る必要があります。

割合良く治る症状です。

 

◆ A君 男の子 (10歳)

 

ハウスダストによる鼻炎で、来院してきたA君は、扁桃肥大・アトピー性皮膚炎の症状もございました。

治療は症状が複数ございましたが、半年間毎週1回、その後3ヶ月間が2週間に1回、そして、翌年3月まで3ヶ月間、1ヶ月に1回のペースで治療を行いました。

 

半年で殆どの症状は消失いたしました。

9ヶ月後の時点では、「大きくて手術が必要だが、アレルギーが強くて手術が困難だ」と、かかりつけのお医者さんに言われていた扁桃肥大までも、小さく正常になり、予想以上の効果を得る事が出来ました。

 

この効果は、おそらく少年とのコミュニケーションが非常に良好であったために、暗示による心理作用が大きく作用したのではないかと私は考えています。

 

これらの他にも気温の変化が自立神経を刺激してしまい、鼻水が出てしまうタイプの鼻炎などもございますが、これに関しては、花粉症のように多くのデータがなく、個人差もかなりあるために、治療を行ってみなければ、その効き目については、明確に申し上げられません。

 

副鼻腔炎

 

これは、アレルギー性鼻炎に準ずる治療を行いますが、この病気は、鍼治療の極めて有効な症状の一つと考えています。

急性・慢性問わず効果的な治療が可能です。

 

急性副鼻腔炎

 

急性副鼻腔炎は様々な細菌によって引き起こされますが、風邪などの感染症などで、発症する事の多い病気です。

鼻づまり・強くガンガンするような頭痛、それに異臭を伴う病気です。

病院処方の薬剤の服用と併せて鍼治療を行うと、鼻づまりや頭痛などの症状を抑えて、治癒するまでの期間を半分ほどに短縮することが可能です。

治療は2~3回程度で、2~3日に1度の治療を行います。

 

副鼻腔には4つの空洞があり、その部位のどの部位の炎症が強いかにより、頭痛の起こり方にも相違があります。

炎症の部位によっては、失明をする事もございますので、必ず耳鼻科の診断を受けてください。

 

慢性副鼻腔炎

 

俗に蓄膿と言われていた病気です。

副鼻腔炎の症状が812週間以上続く場合を慢性副鼻腔炎といいます。

鍼のみの治療でも、治癒可能な病気ですが、耳鼻科の鼻の洗浄や、薬の服用の治療も併用して、行う事をお勧めいたします。

治療は基本的には毎週1回のペースで行いますが、重い症状の場合には、初めの2~3回を中4日で行う事もあります。

治癒の期間は症状の程度により、軽微なものは4~5回程度のものから、重い症状では半年ほど必要となります。

 

◆ Hさん 男性 (45歳)

 

Hさんは、坐骨神経痛で来院されました。

治療中に鼻汁が喉に落ちるらしく咳をするので、お聞きしたところ、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)との事。

鍼治療の効果についてご説明し、治療をする事にいたしました。

この症状もまた鍼の効果については、全く知られていないのが現状です。

 

「症状が強くなった時には、耳鼻科に通っていた事もあったが、結局なかなか効果なく中途でやめるのが常であった」との事でした。

 

治療は毎週1回で、5回目の治療で、症状は消失してしまいました。

坐骨神経痛の治療が少々伸びたので、その後も2週間に1回程度は治療を継続して行い、その間も全く症状は現れる事はございませんでした。

 

急性副鼻腔炎

 

◆ Iさん 女性 (28歳)

 

風邪が原因で、急性副鼻腔炎を併発してしまったIさんは「耳鼻科には行ってはいますが、前頭部の酷い頭痛と強い鼻づまりで、夜も休めない」と言う事で来院いたしました。

強い異臭があり、喉にかなり鼻汁が落ちているので、痰(たん)を多く含んだような湿性の強い咳をしておられました。

 

治療は3日おきに3回。

初回の治療直後は「鼻づまりも頭痛も全く消えて、すっきりとして嘘みたいだ!」と話されておられましたが、鼻づまりは2回目の治療の時には若干戻っていました。

 

頭痛は全く初回の治療以後出る事も無く、3回の治療で完治いたしました。