大腿神経の圧迫による膝の痛み

 

 

高校3年生18歳 男子 H君

 

整形外科で約1年治療した後、「膝の奥が問題で治らない」と言われて来院して来ました。

レントゲンなどの検査では、全く異常は認められませんでした。

これ以上体育の授業を休んでしまうと、単位を取れなくなってしまうので、苦痛に耐えながら辛い授業を受けていました。

 

症状

膝蓋骨周囲から大腿4頭筋にかけての痛みで、膝蓋骨の上縁からおよそ10cmの範囲で、階段を昇る時や、走る時などで、特に痛みを感じルとの訴えでした。

 

多くの膝の痛みは、階段の上り下りの際や、正座などの伸展や屈曲時などに出てくることが多いですが、このタイプの場合には、大腿部を持ち上げるような動作のみで痛みが出てくるのが特徴です。

 

また、段差のある階段などでは躓く(つまづく)ことはないけれども、平坦な道路のほとんど気にならないような少しのでこぼこや、わずかなスロープなどで、躓いてしまうことがあるとのことでした。

 

これらの特徴的な症状から、大腿神経の圧迫症状と診断いたしました。

これらの症状のほかにも、お腹の深い部分が突っ張ったり、腰全体が重くなるなどの症状が出てくることもあります。

 

また、神経圧迫がさらに強くなると、じっとしている時でもずきんずきんと痛みが出て来るようになります。

治療は1週間に1回の治療で、合計4回で完治いたしました。

 

3回目の治療後に、10kmの校内マラソン大会があり、「痛みは全くなく、走ることができて、単位も取れて無事卒業できる」と、4回目の治療の来院の際にうれしそうに話してくれました。