脱毛症 

 

 

円形脱毛症

 

この症状は、およそ1ヶ月半で産毛(うぶげ)が生え始めて、およそ半年で、ショートカットができる程度にまで回復いたしております。

しかし、症例数が少ないために、明確にこの位の期間で、完全に回復しますと言う事はできません。

 

◆ Mさん 女性 (46歳)

 

ストレスが原因の脱毛症と診断され、3分の1程度髪の毛が抜けている状態で、来院されました。

名門大学病院を受診し、診察を受けたところ、担当のドクターは、1本だけ髪の毛を引っ張って「なんともありません」と言われ、「こんなに抜け落ちるのにどういう診断なのか」と憤慨しながらも、専門ケアーセンターで治療を試みたそうですが、結果は芳しくなく、抜け毛の専門の業者に行かれたそうです。

ところが今度は、髪の毛が全くない写真を見せられて、「貴女はこのままではこうなってしまいます」と言われて、高価なアデランスを作ってしまったとの事でした。

 

触診してみると髪の毛はパサつき、頭部は隙間だらけになっておりました。

治療開始後、産毛が1ヶ月半で発毛し始めて、全体的に生え変わるように、古い髪の毛はすべて抜け落ち、初めに生え始めた産毛は、3ヶ月になる頃にはしっかりとした髪の毛になりました。

その後も次から次へと古い髪の毛は抜け落ちて、生え替わるように発毛してきた産毛が半年ほどで全体的にしっかりとしてきました。

髪の長さはバラバラでしたが、半年でショートカットが何とか出来る程度にまで回復いたしました。

 

ストレスとの診断でございましたが、パソコンを多く使用する職種で、首から肩にかけて、非常に凝っており、緊張性頭痛もある事から、頭部の循環障害も脱毛症の大きな原因の一つではないかと私は考えております。

 

◆ O君 男子高校生 (16歳)

 

髪の毛の3分の1が抜け、左の眉毛は完全に抜け落ちた状態で来院してきました。

アトピー性皮膚炎を持っており、この状態に家庭内での父親の母親に対する暴力が原因で、それがストレスとなって、中学校に入学以後発症したものと考えられます。

発症した当時は、大学病院でステロイド剤の頭部への注射による治療で、一時的に改善したものの、結局悪化してしまい来院したものです。

 

治療は1週間に1回で、約9ヶ月を要しました。

1ヶ月半ほどで、頭部の産毛が出てきはじめ、眉もそれに若干遅れるように発毛しはじめて、3ヶ月ほどで初めに生え出した産毛が、しっかりとしてきました。

 

そして、半年程で頭部はショートカット可能な程度まで伸びました。

先にも記述いたしました状況から精神的な影響もあり、それを改善させる事なく治療を終えてしまえば、再発の可能性がございましたので、その後3ヶ月間は、精神的な改善を目的として、安定するまで治療は継続いたしました。

 

精神的部分と申しますのは、皆様もこの様な状況をお考えいただければ、容易にご想像出来る事と思いますが、学校に行っても友達もなく、たった1人、挨拶しても無視され、いじめやいたずらを受けたり、落第寸前まで学校は休みがちといった状況でした。

当然成績も悪く、毎日が暗い状況では、一時的に円形脱毛症が治ったとしても、再発する可能性が高いと考えられましたので、本人の考え方や、対応策をしっかりと話を聞きそれを乗り切る事の出来る知恵を持たせ、それを確認して治療を終えました。

 

 

治療中に成績も上昇し始めて、治療終了後7ヶ月後の10月に電話連絡があり、「実力テストで、クラス5番の成績を取った」と、喜びの電話がございました。